再現のための構成 [作成雑記]
元々大王のOPはBGがグラデーションで構成されているので、(ちよ父の発進シーンを除く)
ベクターデータとは相性が良いと言えます。ですが、ただ全てのコマをパストレスしただけでは
相当なマシンスペックがないとTVと同じコマ数で再生できるFlashにはなりません(パストレスの
精度や、不明瞭な部分を絵として描き直すと言う部分は便宜上考えずにおきます)。
今作では「TV版と同等の画質&コマ数で再現(移植)する」のが外せないポイントだったので、
画質・コマ数を落とさずに見えない部分で処理の軽量化を計る「とんち」を多用してあります。
塵も積もれば山となる。たいした手法ではありませんが、各カット内の構成を記しておきますので、
写経に興味やご意見のある方は是非2~3カット挑戦してみて下さい。
■ちよすけ~智までの飛び→タイトル襲来
6人が順に画面内に入ってくるカットです。榊さんまではコマのトレスで問題ありませんが、各
キャラの最後のコマは影絵だけが動いているので注意が必要です。智とタイトルとその影絵の
プライオリティにも注意。後半にBGのグラデーションが黄色から赤に変わるので、ベタで持った
BGとは別にグラデーションだけのシンボルを用意しておきます。その際にタイトルの影絵の
色も変わるので、こちらも独立させておく必要があります。各部の重ね順にも注意。
智を弾き飛ばしたタイトルは画面内で変形をしつつ最後に中央に収まります。この変形には
パースがかかっているので(Flash5には自由変形がないので)、全てのコマを作画しました。
「THE ANIMATION」の文字が入って縮小開始。その後グラデとタイトルの影絵の色が変わります。
色の変化は、動画から変化に使ってるコマ数を求めて、トゥイーンで変化させています。
「THE ANIMATION」は動画と同じフォントがなかったので、それっぽいフォントから自作しました。
■にゃもとゆかり
上下からにゃもとゆかりがインしてくるカットです。アニメのタイミングは同じですが、キャラと
影絵では移動スピードが違うのでそれぞれを独立させる必要があります。影絵部分は無駄な
ポイントを1個ずつ削除して処理の軽減を行います。
キャラは回転する1コマ前に光源が変わるのでそれも拾います。回転中にキャラが切れてる
のが見えないように、キャラは長めに書き足しておきます(上:回転前 下:回転用)
■山車
こちらは「作業状況」のカテゴリに細かい記入があるので、そちらを参考にして下さい。
智車が出てくる瞬間に非常に負荷がかかるので、ある程度キャラが出てくるまでは
手だけを置いてあります。
■よみ計り
60~40までの目盛を作り、コマ単位で動画と位置合わせをします。動画ではよみの
影絵に色替えしきれていない実線が見えていますが、これを再現すると重すぎるので
実線は削除しました。キャラ・テロップ・目盛・影絵の重ね順に注意。
よみの影絵部分は、例によって見える部分だけ残してポイントを削っておきます。
■忠吉さん
1回目と2回目では絵やBGが違います。頭のフォルムが綺麗に出るようにポイントの
微調整をFlash上でも行います。影絵が独立しているコマにも注意。
■智二連
線の太い部分に注意。アップ時の眉毛は多少根元を太くしてあります。ほとんど見え
ませんが、2回目のBGの色が違います。
■かおりん
キャラの移動と影絵の移動が独立していて、影絵だけが枠の中に入っています。
キャラから作った影絵のみをマスク内に置き、そのマスクをトゥイーンで移動させます。
キャラの顔はシンボルの回転です(影絵は顔も合成、不要なポイントを削除します)。
赤枠部分がマスク
長くなりそうなので、続きは次回に。